譲渡所得の計算式

不動産を売却した場合の課税対象となる「譲渡所得」は、次の計算式で求めます。

譲渡所得 = 譲渡価額 − 取得費 − 譲渡費用
課税譲渡所得 = 譲渡所得 − 特別控除額(最大3,000万円等)
※ 計算結果がマイナスの場合は「譲渡損失」となり、原則として税金はかかりません

取得費の内訳と注意点

取得費は「いくらで買ったか」だけではなく、購入時にかかった諸費用も含めることができます。これらを漏れなく計上することで、課税される利益を合法的に減らすことができます。

取得費に含められるもの

建物は減価償却が必要

建物については、経年によって価値が低下するものとして「減価償却費相当額」を取得費から差し引く必要があります。建物の取得費が500万円で、30年居住した木造建物の場合、取得費は大幅に圧縮されることになります。土地は減価償却の対象外です。

建物の減価償却費の計算式

減価償却費相当額 = 建物の取得費 × 0.9 × 償却率 × 経過年数
(木造・居住用の償却率:0.031 / 鉄筋コンクリート:0.015)

概算取得費(5%)の使い方と注意点

不動産を取得してから長年が経過し、購入当時の売買契約書や領収書を紛失してしまった場合、取得費を実際の金額で計算することができません。このような場合に使えるのが「概算取得費」です。

概算取得費とは、実際の取得費が不明な場合に、売却価格の5%を取得費として使うことを認める規定です(所得税法施行令第176条)。

概算取得費の使い方

概算取得費の注意点

「書類がないから5%で計算するしかない」と諦める必要はありません。取得費を証明できる資料としては、通帳の出金記録、住宅ローンの返済明細、登記事項証明書の記載内容、市区町村の固定資産台帳などが使える場合があります。また、土地については国土交通省の地価公示の過去データなどから推計できるケースもあります。テキカク不動産の公認会計士代表が、最も有利な取得費の計算方法をアドバイスします。

長期・短期譲渡の税率比較

譲渡所得に適用される税率は、不動産の所有期間によって大きく異なります。売却する年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるかどうかが分かれ目です。

区分所有期間所得税率住民税率合計税率
長期譲渡所得5年超15%(+復興特別所得税0.315%)5%20.315%
短期譲渡所得5年以下30%(+復興特別所得税0.63%)9%39.63%
居住用(10年超)10年超の自宅10%(6,000万円以下部分)4%14.21%

短期と長期では約2倍の税率差があります。例えば課税譲渡所得が1,000万円の場合、長期なら約203万円の税金ですが、短期なら約396万円と約193万円も差が出ます。不動産の売却タイミングを5年の壁を意識して計画することが、賢い節税になります。

3つのシミュレーション

具体的な数字で3つのパターンをシミュレーションします。

ケース1:売却益あり(長期)
売却価格5,000万
取得費▲2,500万
譲渡費用▲0円
譲渡所得2,500万
税率(長期)20.315%
税額約508万
ケース2:売却損(損益通算)
売却価格2,000万
取得費▲3,000万
譲渡費用▲0円
譲渡所得▲1,000万(損)
他の所得との通算要件あり
税額原則0円
ケース3:相続後売却
売却価格4,000万
取得費(概算5%)▲200万
譲渡費用▲0円
譲渡所得3,800万
税率(長期)20.315%
税額約772万

ケース3(相続後売却)で概算取得費5%を使った場合、約772万円の税負担が発生します。しかし、被相続人(亡くなった方)の当初購入代金が2,000万円であることを証明できれば取得費が増え、税額は約407万円に減少します。取得費の証明に取り組む価値は非常に大きいと言えます。

公認会計士が試算するから見落としがない

譲渡所得の計算は複雑で、「どの費用が取得費に入るか」「建物の減価償却をどう計算するか」「どの特例が使えるか」など、専門知識がなければ正確に判断できない項目が多くあります。一般の不動産業者は税務の専門家ではないため、税金の計算についての詳細なアドバイスには限界があります。

テキカク不動産の代表・藤原彬晃は公認会計士の資格を保有しており、売却前に税務上のシミュレーションを行うことが可能です。「仲介会社で売れば仲介手数料で200万円のコストがかかり、しかも税金の試算が甘くて後から追徴課税された」というような事態を防ぐため、買取価格の提示と同時に税引後の手取り額まで明示します。不動産売却をお考えの方は、TEL 03-6766-6178 またはLINEにてお気軽にご相談ください。

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