訳あり物件を賃貸に出す場合の問題点
「売るよりも賃貸に出した方が毎月収入が得られる」と考える方は少なくありません。確かに、通常の物件であれば賃貸経営は有力な選択肢です。しかし「訳あり物件」の場合、賃貸には特有の難しさがあります。
入居者が見つかりにくい
事故物件(自殺・孤独死・事件があった物件)は、宅建業法に基づくガイドラインにより告知義務があります。入居希望者が「事故があった部屋に住みたい」と思う人は非常に少なく、長期間空室になるケースがほとんどです。東京都内の一等地でも、事故物件は半年以上空室が続くことがあります。
賃料が相場より大幅に下がる
入居者が見つかったとしても、事故物件の賃料は周辺相場の60〜80%程度に設定せざるを得ないことが多いです。月10万円が相場の部屋なら6〜8万円でしか貸せない、ということです。この家賃収入の低下が、賃貸経営のメリットを大きく損ないます。
管理コストが嵩む
建物を保有し続ける間、以下の固定コストが毎年かかります。
- 固定資産税・都市計画税(年間:物件価値の1〜2%程度)
- 火災保険料(年間:5,000〜3万円程度)
- 管理会社への委託料(家賃収入の5〜10%)
- 建物の経年劣化に伴う修繕費(屋根・外壁・給湯器・エアコン等)
- 空室期間中の各種固定費(水道・電気の基本料等)
「賃料が入っている間はよくても、空室になると一気に赤字になる」という状況は訳あり物件では特に起こりやすいです。
5年間保有した場合のコスト試算
具体的な数字でシミュレーションしましょう。地方の一軒家(市場価値1,000万円)を想定します。
| 項目 | 5年間賃貸の場合 | 今すぐ売却の場合 |
|---|---|---|
| 売却または売却予定価格 | 5年後800万円(価値下落) | 今すぐ1,000万円 |
| 固定資産税(年15万円×5年) | ▲75万円 | 0円 |
| 火災保険(年2万円×5年) | ▲10万円 | 0円 |
| 修繕費(5年分) | ▲50万円 | 0円 |
| 空室期間のロス(2年分) | ▲144万円 | 0円 |
| 家賃収入(3年間@6万円) | +216万円 | 0円 |
| 仲介手数料(5年後売却) | ▲約30万円 | 0円(買取) |
| 手元に残る金額 | 800万−75−10−50−144+216−30=約707万円 | 1,000万円 |
上記の試算では、5年間賃貸に出した場合の手取りは約707万円、今すぐ買取売却した場合は1,000万円と、約293万円もの差が出ます。さらに、「管理の手間・入居者とのトラブル対応・精神的ストレス」という数字に表れないコストも加算すれば、売却の優位性はさらに大きくなります。
空き家・事故物件は早期売却が有利な理由
空き家の場合:放置するほど価値が下がる
空き家は人が住んでいない状態が続くと、急速に劣化が進みます。定期的な換気・清掃がされないため、カビ・シロアリ・害虫が発生しやすく、雨漏りや腐食が進行します。5年後には修繕費が増え、建物価値が大幅に低下している可能性が高いです。さらに「特定空家」に指定されると固定資産税が最大6倍になるリスクもあります(詳しくは「空き家を売りたい方へ」の記事を参照)。
事故物件の場合:時間経過で告知義務が緩和される面もあるが…
国土交通省のガイドラインでは、事故物件の告知義務は居住用の場合「おおむね3年程度」とされており、一定期間が経過すると告知が不要になる場合もあります。そのため「3年待って売った方が高く売れる」という考え方もあります。しかし3年間の保有コスト(固定資産税・管理費・修繕費)と、3年後に売れる保証がないリスクを考慮すると、必ずしも有利とは言えません。
保有リスクの増大
訳あり物件を長期保有することで、金銭的コスト以外のリスクも高まります。
自然災害リスク
地震・台風・洪水などの自然災害によって建物が損傷するリスクがあります。保険でカバーできない部分の修繕費は全額オーナー負担です。老朽化した空き家は特に倒壊リスクが高く、近隣への損害を与えた場合の賠償リスクもあります。
不法占拠・不審者侵入リスク
管理されていない空き家には不審者が侵入しやすく、不法占拠されると立ち退きに法的手続きが必要になり、費用と時間がかかります。また、放火や犯罪の温床になるリスクもあります。
相続による共有化リスク
保有中に所有者が亡くなると、その物件はまた相続の対象となります。次世代に「訳あり物件の問題」を引き継がせることになり、処分がさらに困難になります。「自分の代で解決する」ことが最も合理的です。
法改正・規制強化リスク
空き家対策特別措置法の改正(2023年)により、「管理不全空き家」への対応が強化されました。今後もさらに規制が強化される可能性があります。早期に手放すことで、将来の規制リスクを回避できます。
結論:早く売るほど手取りが増える
訳あり物件の賃貸運用は、通常物件に比べてリスクが高く、収益性が低いケースがほとんどです。保有コスト・価値下落・修繕費・管理の手間・法的リスクを総合的に考えると、「早く売るほど手取りが増える」というのが多くのケースで当てはまります。
- 最短翌日現金化:保有コストの垂れ流しを即座に止められる
- 仲介手数料0円:売却費用を最小化して手取りを最大化
- 残置物そのまま:片付け費用・手間がかからない
- 全国対応:遠方物件でも出張査定で対応
- 公認会計士が税務シミュレーション:売却後の手取りを事前に確認できる
「本当に賃貸の方が得なのか、それとも売却の方が得なのか」を正確に計算するためには、税務知識も含めた総合的な試算が必要です。テキカク不動産の代表(公認会計士・藤原彬晃)が、お客様の物件の状況に合わせた具体的な数字で比較してお見せします。まずはTEL 03-6766-6178 またはLINEにてお気軽にご相談ください。